デスメタルとブラックメタルという音楽ジャンルを聞いたことはありますか?
なんか怖そうな雰囲気は共通しますが、この二つはどちらもヘヴィメタルのサブジャンルでありますが、その思想や性質は全く異なるものです。
僕はデスメタルはよく聴きますが、ブラックメタルはあまり聴きません。
好き嫌いとかそういう単純な理由ではないのですが、音楽的にブラックメタルが同じ展開をひたすらループするのに対し、デスメタルはイントロ、サビなどかろうじて音楽的展開が残されているので、デスメタルのほうが聴きやすいからでしょうか。また、ブラックメタルは曲の長さがそこそこあるにもかかわらず、展開が終始フレーズの繰り返しのため、やはりアルバム全体を聴くことに躊躇してしまいます。
んで、この二つのヘヴィメタルのサブジャンルは対立が起こります。wiki先生によると、ブラックメタルはデスメタルに対抗するものとして生まれた経緯があるかららしいです。
確かに、このバンドはデスメタルかブラックメタルかを巡って論争が起こることは決して少なくありません(例えば、Cradle of Filthがデスメタルかブラックメタルかについてなど)。なので、一旦整理してみようと思います。
●デスメタル
・ルーツはスラッシュメタル
・死、殺人などについて扱う
・低音重視のデス声
・ファッションは黒基調ですが、特に縛りはない
・曲の長さは普通の音楽とあまり変わらないが、2分ぐらいで終わるものもある。
・日本の激しめなロック(V系)と親和性があり、意外に聴ける曲も多い
・アルバムジャケットはグロテスクで、バンドTシャツは公衆では着づらい
●ブラックメタル
・ルーツはスラッシュメタル
・死、殺人も扱うものの、キリスト教批判、悪魔主義、サタン主義
・高音の金切りシャウト
・コープスペイント(真っ白な化粧をして、目の周りを黒く塗る)、衣装は全身黒服でバンド全体で統一されていることが多い
・長尺
・トレモロリフ、シンプルなブラストビート、曲展開はフレーズの反復によるもの。
・アルバムジャケットはモノクロ、グロテスクなものは少なく、宗教的な雰囲気がある。バンドTシャツは知らない人から見るとどっかのブランドっぽくみえなくもないので公衆でも着ようと思えば着れる。
こんなところでしょうか。どちらもスラッシュメタルから派生するわけですが、これは納得できます。ただ、思想やスタイルなど全く違う点もあります。もちろんデスメタルにも長尺でフレーズをひたすら繰り返す、金切りシャウトある、みたいな曲もあるので、全て上に挙げた特徴で分類できるわけではないのですが、一定の指標になるかとは思います。
世間的には『デトロイトメタルシティ』の影響が大きいみたいで、みんなあれを「デスメタル!」と言いがちなのですが、あれは完全にファッションはブラックメタル、曲はデスメタル(でもない?)です。デスメタルのバンドでコープスペイントなどをすることはほぼありません。
日本の激しめな曲が好きなのであれば、色々と辿っていくとデスメタルバンドに行き着くことが多いので、音楽的に触れやすいのはやはりデスメタルだと思います。また、V系とかで白塗りペイントするバンドはありますが、そのルーツはブラックメタルではないでしょう。音楽的変遷を辿ると、あれはX、さらにいうと、LAメタルとかKISSの影響だと思います。